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 政治ではなく戦争?

今朝、正確には昨日の新聞ウェブを見ていて「あ、そういうことか」と思った。「衆院で青色票を出した自民議員37人の全選挙区に対立候補を立てる」という話を読んで、コイズミさんは「政治」をやってるつもりがないということに気が付いたということだ。じゃ何かというと「戦争」である。「敵」はもちろん青色票を出した自民党衆院議員だ。今までの日本政治(自民党政治)の枠内であれば、なんとかうまくごまかして出来るだけ数を確保できるような戦術を採るはずなのだ。こんなバカなやり方はしない。……そういう風にたぶん反対派も思ってたはずだ。

しかし、そういう政治のやり方に僕らが飽き飽きしていたのもまた確かな話で、だからこそ、コイズミさんの支持率が上がるということにもなるんだろう。「ああ、この人は本気なんだ」と思わされてしまう。と。その点は、実に見事だ……が、なんかそれって本質的に違ってないか? しかし、いったい何が違うんだ? 白状すると僕にもよくわからない、うまく説明できない。それはたぶん「なぜヒトラーは合法的に政権を握れたのか」が未だによくわからないのと同じなんじゃないかと思ったりもする。戦後60年、誰もが頭をひねってきてわからなかった、それと同じ質のことが、いまこの日本で目の前にくり広げられているのではないか……と。

コイズミさんを悪く言うのは簡単だ、バカにするのも簡単だけど、ヒトラーだって「チョビ髭のチビ」とかバカにされていたわけで……でもそうやってバカにしたり見下したり拒否したとたんに、対象の本質が見えなくなってしまうような気がするんだよね。で、相手を見くびると間違いなく「負ける」わけです。亀井さんなんかも明らかにそのミスを犯して、そして負けた(少なくとも現時点では)。まさしく「敵を知り己を知らば百戦危うからず」の逆。そう、だから僕にとってのこの問題は「郵政民営化の是非」ではなくて「コイズミさんの考え方・やり方の是非」であり、必要なのは「コイズミの謎(正確にはコイズミさんの人気の秘密)」を解き明かすことではないかと、少なくとも僕は思っているわけです。

正直云うと、場末のホストクラブにいるイケメンホストの魅力を解き明かす……みたいで「なんでオレ(非専門家)がこんなことやらないといかんのだ?」的な気分に充ち満ちてるんだが、専門家といえば「コイズミさんよいしょ」論者と「コイズミはブッシュのポチである」論者しかいなくて、ここでも二大政党制で(笑)、これじゃ負けるわなと思ったりもする。んで仕方なく偶然本屋で見つけた山本七平さんの、日経ビジネス人文庫『「孫子」の読み方』なんてのを読み始めたところなんだが……泥縄にもほどがありますな(笑)。