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 『下妻物語』

なんだかくたびれ果てて、自宅で寝っ転がって久しぶりにテレビのスイッチを入れて WOWOW の番組宣伝を見てたら映画が始まった。見始めて「なんやけったいな映画やなー」と思ったものの、そのまま最後まで見させられてしまった。

まさしく現代の邦画……今の日本でないと作れない映画ですね。それだけではなく、この映画を見ていると、今の日本の若い人たちが聞く邦楽が、なぜあのようであるのか、の理由までわかってしまいます……「理由」と書くと理屈っぽくなるので、今の若い人たちが聞く邦楽の良さ(聴き方)がわかると書くべきかもしれませんが。つまり「この映画の音楽が楽曲として素晴らしい」ということではなく、この時代の音楽が生まれてくる背景(コンテクスト)が映画(音楽)の向こう側に見える、ということなんです。

ともかく見て損はしない映画、エンターテインメントとしては第一級で、それだけではない。そういう意味ではお薦め。……じゃ「名画なのか?」と言われると、それはそれでちょっと違うんですよね。見ていて思わず(年甲斐もなく)落涙させられたりもするんだけど、落涙というのは、タイミング的にうまくはまってしまえば割と簡単に起きる事態(たとえば、テレビのB級やらせ視聴者参加番組だってそういうことは起きうる)なので「落涙したから名作だ」とも言えません。

……実は、また『無伴奏シャコンヌ』が見たく(正確には「聞きたく」)なってテレビのスイッチを入れたんだけど、ビデオは同居人が知り合いに貸していてなくて仕方なくWOWOWを見てたという理由もあったりして、まぁ、あの映画も「映画として名作か」と言われたら……なんで、名作映画(映画としてよくできている映画)かどうかなんてのは、実はどうでもいいことなんだけど。

(またしても何が言いたいのか不明瞭なまま終わる)