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なぜ見慣れた風景だと思うのか

「見慣れた風景」って良く使われる言葉だけど、ほんとうの風景というのは現実なわけだから、当然、「まったく同じ風景」が2度出現することはあり得ない。じゃなぜ「見慣れた風景」という言葉が通用するかといえば、単に「その(微妙な)違いを僕らが認識できない」からだ。いや、むしろ、僕らはその(微妙な)違いを認識したくない、あるいは、無視することによって日常(連続性)が成立している、と言うべきかもしれない。実際、この瞬間と次の瞬間がまったく異なることを常に意識し続けていたら、僕らはすっかり気が狂ってしまうのではないか。世界を統合(連続)して認識する能力を失うと「統合失調症」と呼ばれるわけだから。「見慣れた風景」という見慣れた言葉もよくよく考えると結構深い言葉なの、かもしれない。