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ガラス効果

部屋を掃除していたら、何かに使おうと思ってそのままになっていた板きれが見つかった。資源ゴミかなぁと思いつつ、ふとテーブルを見て……ん? と思った。

居間にあるテーブルは天版がガラスだ。大昔に新宿のコンランショップで買ったもので本来は食卓用なんだが、いまは同居人の仕事机になってる。で、このテーブルの脚のところにうまくこの板が入ることを発見したのだ。どういえばいいのかな……机の天版がガラスで引き出しの中が全部見えるような感じになる。

でその引き出しの中に机の上に散らばっているものを入れてみたら、実に不思議なことに「良く見える」のだ。「良く」というのは……たとえば、標本箱の中の昆虫のように、だ。つまり、ボールペンやお店のパンフレットや、そういうごく日常的なものがガラスの向こうに行ってしまって、直接手を触れることができなくなったとたん、何か別のものに見え始めるということだ。名前を付けることが好きな僕はそれを「ガラス効果」と呼ぶことにした。

ガラスの向こうにあるもの、直接手を触れることができないものは、なんだかそれだけでステキに見える。