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エミリオ・アンバースの未来

NuDI2005-02-07

で,キミの考える未来って……ということで,これですよ,これ(昨日の続き)。……写真はもちろん現実の風景ではなく建築模型の写真ですが,ようするに建築物がすべて地下に埋め込まれていて,地表は一面の緑。これを見た後では「摩天楼の建ち並ぶ都市」がいかに古くさく見えることか。……えっ? 見えない?

この写真を見たのが何年前なのか覚えていない。そのときに自分がどう感じたのかも覚えていない。この写真はエミリオ・アンバース(EMILIO AMBASZ)という建築家の展覧会が六本木のアクシスで開かれた時のパンフレットに載っているものなんだけど,この展覧会に行った覚えがないのだ。その後で別の展覧会でバックナンバーとして買ったような気がするんだけど。ともかく,僕の中で,長岡秀三さんの未来イラストが,この写真に置き換わってしまったのです。おおげさに言えば,未来の概念が書き換わっちゃったわけ。この写真のキャプションを書き写しておきます。

シュランバジェー・エンジニア研究所 オースチン・テキサステキサス州オースチン郊外に建設されるコンピューターリサーチ施設は,各研究所が土の壁で覆われている。このため建物は全体のランドスケープに溶け込み,従業員にキャンパスのようなのどかな雰囲気をつくりだし,同時にエネルギーの節約にもなる。実験用のスペースは広く解放的であり,個々のプライバシーを保ちながらも,コミュニケーションできるようになっている。またオフィスユニットも,その都度編成されるプロジェクトチームのサイズに適応するように考慮されている。

こんな建築物,アメリカみたいに広大な土地が安価に入手できるところでなければ不可能でしょう……ですよ。こんな施設を東京……いやこの狭い日本ではあまりに非現実的で話にならない……よね。いや,それはそうなのです。小学生の頃に何度も何度も見た『未来の図鑑』に載っていた「翼を持った空飛ぶ自動車」みたいなものです。でも,だからこその「未来」なんだと思うんだけど。
ちなみにこの「シュランバジェー・エンジニア研究所」は SCHLUMBERGER ENGINEERING RESEARCH LABORATORY なのですが,グーグルしてみてもそれらしきものには行き当たりません。Schlumberger Limited という企業があってAustin にもテクノロジーセンターという研究施設はあるようですが,それがこのアンバース設計の施設なのかどうかはわかりません。