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リデザイン装置としての「東京日和」

NuDI2005-02-04

これ,前から気になっていた東京メトロ(旧・営団地下鉄)の広告です。もちろん,直接のメッセージは「みなさん地下鉄に乗りましょう」なんだろうけど,上野の西郷さんも銀座の和光も地下鉄に乗らなくたって見られるわけで,広告的には悩ましいというか,なんというか。でも,それが逆にこの広告の風通しを良くしていると思うのです。ありていに言えば「囲い込もうという思惑を感じさせない」ということ。

で,何を感じたかというと,僕の場合,「あなたのありふれた日常を見直してみませんか?」っていうメッセージ。もちろん,東京メトロや広告の制作者にそういうつもりがあったのかどうかは,わからないわけで,僕がそういう風に感じている,あるいは,そうしたいと思っているからそういう風に読めるだけかもしれない。でも,東京に住んでいる人であればあまりにも見慣れているはずの風景を「広告として見せる」というのは,それはそれで悪くないなと思ったりするわけです。

さらに言えば,こういうのも「リデザイン」の一種だよなぁ,と。いままでにない何か新しいものを作るというのがデザインだとするなら,すでに存在するものを新しい存在に仕立て直すのがリデザインだろうと思うんだけど,別に仕立て直したりしなくたって「見慣れたものを新鮮な眼で見ること」ができれば,それも立派なリデザインですよね。