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エクセルで「文章」を書く人が結構いるのは何故か?

エクセルじゃなくてワードじゃないの? と言われそうだけど間違いではありません。もちろん、エクセルは計算のためのアプリケーションであって、文章を書くためのものではありませんが、でも「文章」を書くために使う人は意外に多くて、かく言う僕もそのうちの一人です。なんで? という質問に答えるためには、まずここでいう「文章」とは何かを考える必要があります。

ここで言う「文章」はもちろん「原稿」つまりは「一定の順番で並べられ流れを感じさせる文章」ではありません。メモ、あるいは箇条書き、あるいはチェックリストのような文章、つまり「小さな断片情報を文字で表現したもの」を指します。「原稿」が原稿用紙やレポートに書かれた「文章」だとすれば、ポストイットやカードに書かれた「文章」です。……と、ここまで書けば勘のいい人は「なーんだ」と思われるかもしれませんが、まぁ、とりあえず説明しておきます。

たとえば、横のセルに記事のタイトルを入力していきます。縦のセルにはその記事を構成する要素というか項目……タイトル、サブタイトル、本文、写真、キャプション、補足説明を並べます。次に、そのマトリクスの中に実際の文章を入れていきます。とどうなるか? それぞれの記事の要素が全部揃っているかどうかが一目瞭然になります。これをワードでずらずらと縦に並べて書いたら、全部の記事に全部の要素があるかどうかを調べるために別にチェックリストを作らなくてはならなくなりますね。

もちろん、これがエクセルで文章を書く理由(使い方)のすべてではありません。僕はこれを「マトリクス・ライティング」あるいは「パラレル・ライティング」と呼んでいますが、これには実に様々な使い道がありますし、正直に言えば、むしろこちらのほうが思考支援としては正しい方法でありアプリケーションなのではないか(ワードプロセッサではなく)とさえ思っています。また、最近流行の「図解思考法」なんかもエクセルで代用出来る場合がほとんどです。

ようするに、エクセルで文章を書くというのは、KJ法ツールとしてエクセルを使うってことでもあるんですよね。