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ビミョーに、しかしゼンゼン違う

NuDI2005-01-26


ある日、僕は下北沢の雑貨屋の店頭で輸入品のリッツを見つけました。そのまま通り過ぎようかと思ったんですが、どうも変な感じがしたのでそれを買い求めたのです。帰り道にスーパーに寄ってやはりリッツ(こっちは日本製)を買って家に帰りました。で、この2つを並べてみた結果がこれです。左側は日本のリッツ、右側がアメリカのリッツです。別にフェイクでもニセモノでもなくて両方ともホンモノです。でもなんか変だと思いません? ビミョーに、でもなんかゼンゼン雰囲気が違う。

この雰囲気の違いを決定づけているのがロゴの違いです。すぐに気が付くのは右側のRITZはRが他の文字より背が高いことですが、それだけではなくあちこちかなり違います。Rのてっぺんから右側に下がってくる曲線の角度、その曲線が左側の垂直線にぶつかる部分。右側はピンポイントで接触していますが、左側はベタっとしてます。そして、接触している位置も右のほうが若干上です。そして、Zも違います。右は下左端がTの下端に接触しそうですが、左は少し余裕があります。それ以前に左は文字を構成している線の太さは縦横ほぼ同じですが、右は明らかに水平線よりも垂直線のほうが太くなってます。

さて問題は「どっちがいいか」……あるいは「どっちが好みか」……あるいは「この違いをどう感じるか」です。若い頃なら「どう見たって右のほうがカッコイイ」と、たぶん僕は思ったと思います。いや、どっちがデザイン的にいいか、と言われたらいまでも右を選びます。が、まぁ、歳のせいもあるかもしれませんが、この左側のなんというか「いや、ロゴタイプなんかどうでもいいんです」的な素っ気なさというか、「できるだけ目立たないようにしよう」的な奥ゆかしさというか、端的に言って地味さにもそれなりの良さがあるなぁ……と思ったりもするんです。

あえて言うなら左側の守旧派と右側の改革派とでもいうか……ふーむ、守旧派への評価が相対的に高くなった理由にはたしかに歳のせいもあるかもしれないが、この国の改革派がどうもいまいち信用できない……というようなことも、たかがロゴを見る目にも影響を与えているのかもしれない、などと(考えすぎだよ)。