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「PERSONAL DTP SYSTEMS」から「情報デザイン基礎講座」へ

先週のお約束通り、今回から4回にわけて12年前に書かれた「情報デザイン基礎講座」の原稿をここに再掲載させていただく。『Bug News(バグニューズ)』は株式会社BNNから発行されていたDTP専門月刊誌であり、「情報デザイン基礎講座」は1988年5月号から1989年4月号まで「PERSONAL DTP SYSTEMS」というタイトルで続けられた連載の最終回に、次号から始まる連載のイントロダクションにあたるものとして掲載された。
この連載「PERSONAL DTP SYSTEMS」は、当時主流だったNECPC-9801シリーズ用の“パソコンDTPソフト評価”を目的としたものだったが、当時はMacintoshワークステーション用は別として、まだ実用的に使えるDTPソフトは少なく、連載の大半はDTP作業と連携して使えるソフトウェアの評価(紹介)にならざるを得なかった。
12年前といえば日本はバブルの絶頂期にあり日本企業はアメリカの不動産を買いあさっていた。その後、バブルは崩壊し、阪神淡路大震災が起こり、オウム真理教を名乗るグループのテロが起きた。しかし、幸か不幸か、情けないぐらいに僕の考え方は何も変わっていない。加筆したいところはあるが、修正したい部分はない(表現の稚拙な部分は除く)。実は加筆の意味で追加原稿を書いてはみたのだが、本文を超える量になりそうになったため、これはまた別の機会とさせていただきたい。

概要

元はA4変形版で4ページの記事であり、紙媒体であればパラパラと見るだけで、おおまかな内容の見当が付けられるが、ウェブとなるとそうともいかないので、新たに、書店での立ち読みにあたる“概要”を追加した。

  • 1. 「PERSONAL DTP SYSTEMS」連載最終回にあってのまとめ
    • 最初にまとめとして、ソフトウェアの作られ方あるいは使われ方の問題、つまりは生産と消費との間にあるコミュニケーションギャップについて触れ、個々のソフトウェアの評価よりも、構造に問題があるのではないかと指摘。<本文1>
  • 2. 情報デザインの目指すもの
    • コンピュータとネットワークの登場を機に雑誌の世界、出版メディアが大きく変わっていくと同時に、それに携わる編集者やデザイナーの機能や役割も大きく変わっていくと考え、それにいまから対処すべきではないかと提案。<本文2>
  • 3. 問題解決のために
    • 情報デザインが確固とした分野ではないこと、従って明確な方法論が存在しないことを指摘し、現場の人間がそれぞれに抱える問題をオープンにして語り合うことが必要であり、そのツールとしてはコンピュータネットワークが最適であるとして共通する問題意識を持つ読者へ参加を呼びかける。<本文3>


[2001年08月09日]