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ホームページの時代がやってくる

なんだかとってもレトロなタイトルだ。ほんとは最初に“ヤァヤァヤァ”と付けようかとも思ったのだけど……。ともかく「ITバブル崩壊」などと騒がれるようになった。米国の状況をニュースで読む限りはそんなふうも見えるのだけど、経済の専門家でもない僕にはほんとに崩壊したのかどうかはよくわからない。まるで「このままIT産業は構造不況業種となって最終的に消滅する」ような雰囲気だけど、そんなことはあり得ないぐらいのことは僕にもわかる。
もちろん、今のIT業種の中には“ITの威を借る別業種”なんてのもたくさんありそうで、たぶんそういうのはほんとになくなってしまうだろうけど。でも、仮にITバブルとやらが崩壊したところでインターネットが消滅することはないだろうし、現在無数にある“ホームページ”もなくならないだろう。消えてしまったホームページもたくさんあるけど、それはITバブル崩壊とは直接の関係はないはずだ。


■ウェブサイトは不要だけどホームページは必要?
ここでウェブサイトではなくホームページという少々懐かしい響きのある言葉を使っているのには少し訳がある。ウェブサイトというと、どうしてもポータルページあるいは電子商取引サイトのような大型でしかもインタラクティブな機能を持ったサイトを思い浮かべてしまう。それこそサイトデザインだけで最低500万円、システムを組み込めばどんな小さくとも5000万円は下らないという“ドットコムサイト”を。
しかし、そんなサイトを持てるのは大企業、あるいは正しい定義における中小企業であって、零細企業や、街の豆腐屋さんや八百屋さんや本屋さんに持てるわけがないし、また持つ必要もない。じゃ、そういう小さなお店にホームページは不要なのかというとそうではないと思うのだ。むしろ、僕らの日常生活に密接に結びついているだけに、むしろそういうお店のホームページこそが必要なんじゃないかと思ってる。
“出かける時は忘れずに”というのは昔流行ったカード会社のコマーシャルコピーだけど、これはそのままホームページにも使えるんじゃないかと思う。「ちょっとおなか空いたな、今日は外に食べに出よう」と行ってみたら臨時休業だった……てな経験はよくあることだけど、もしそのお店にホームページがあって「申し訳ありませんが、本日都合によりお休みをいただきます」てな看板が出ていれば無駄足をしないですむ。
つまり、小さなお店のホームページにはいわゆるウェブサイトのような高度な機能は不要なんじゃないかということ。僕らユーザーがリアルな足を運ぶ替わりに、インターネットというヴァーチャルな空間に出かけて、ヴァーチャルな看板を確認できれば、それだけでお店のホームページとしては十分なはずだ。つまり、小さなお店のホームページに必要なのは入口のドアに掛けてある「やってます」とか「臨時休業」とかの看板なんだと思う。つまり、小さなお店のホームページは電子看板でいいってことなのだ。


[2001年02月22日]