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昔、何冊ぐらい本があったのか

なんか、マヌケというか子どもっぽいタイトルだけど。

13世紀に入って中世も終り近くになると、フランス、イングランドなどの王権が強化されるとともに知的活動の中心は教会から大学に移り始め、フランスではソルボン( Robert de Sorbon )が1250年に自分の名を付けた個人文庫をパリの学寮(ソルボンヌ大学の前身)に開設します。1289年の目録によると、この時代の蔵書数は約1,000冊程度でした。オックスフォード大学の場合は、各カレッジの図書館ができるのは、これより遅い14世紀に入ってからのことです。
引用元:http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050504/p1

仮に13世紀で全世界の本の冊数が1000冊だったとすると、1日に1冊読むと3年もあれば全部読むことができる。そして、本(文字・活字)によって世界のすべてが表現されているとするなら、1000冊読めば世界の全部を知ることができることになります。
もちろん、ここに中国語や日本語の文献が入っているとは考えられないのでおそらくヨーロッパ圏、ひょっとするとフランスだけかもしれないが、でも、さらに時代を遡れば出版点数は少なくなるはずで、まぁ、ようするに「情報の世界はそれぐらい小さかった」と言ってみたいのですね。もちろん、現在と比較しての話。
たとえば、2004年の我が国の書籍出版点数は約75000点だそうです*1。これだけで75倍だから、全部読むためには毎日1冊読破しても200年以上かかる計算になります。もちろんそのすべてが「読むに値する本」だと仮定しての話。


なんでこんなことが気になるかというと、3年で済むなら、全部読もうと思えば読めるな、世界の全体がおぼろげながらでも把握できるかも、と考えられますが、200年となったら、まず誰でも諦めます。第一、そんなこと考えもしないでしょうね。……何が言いたいかというと、スタイルとして物理的な実体としては同じでも、13世紀の「本」と今の「本」では、まるで意味が違うよなぁ、ということなのです。