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橋本氏へのコメント3-----本来無関係なものが平面に置くことによってあたかも関係があるかのように見えてしまう

「検索結果をビジュアルに(というよりも「1次元的なリストではなく2次元的なマップとして)表示する」というのは一見、わかりやすくて良さそうに思えるのだが、すでに諸氏が御指摘の通り、思ったほどわかりやすくもないし便利でもない。なぜか?[松岡裕典
こういう話で思い出すのは実は星座の話だ。カシオペア座とか乙女座とか天秤座とかいろいろあるが、これは西洋文明における星座であって文化が異なれば星座も変わる。グーグルで「星座 文化 違い」で調べてみてわかったのだが、中国では西洋のように星座に神話を投影せずに帝国の構造を投影するそうだ。もちろん星座の数も違う。西洋では88(古代は48)なのに比べて中国の星座の数は283もあるらしい。
そもそも、星座も永遠に同じ姿を見せているわけでもない。地球も銀河もすさまじい速度で動いているから、数万年のうちにはいま見ている星座の形は跡形もなくなってしまう。もちろん、数万年の時間が待てなければ、太陽系を飛び出して外宇宙に出るという方法もある(可能であれば)。宇宙旅行のシミュレータで外宇宙を航行してみれば、みるみるうちに星座の形が変わっていくのをリアルタイムで見ることもできる。
話を戻そう。検索結果でリスト表示されたデータは「同じ文字列を含んでいる」というところにしか共通項のない、相互には単独のデータである。あえて「関係」という概念を持ち込むのであれば「同じ文字列を含んでいるのだから一定の類似関係にある」ということは言えるかもしれないものの、その2つを線で結べるような根拠は何もない。まして、それらのデータを2次元平面上にプロットすることに何の必然性もない。
しかし、僕らは複数の星を見てそれを結びつけて勝手な解釈をしてしまうように、本来関係のないデータでも、左右(横)に並んでいるのを見れば無意識のうちに「同格」と解釈してしまうかもしれない。つまり、平面上のどこに配置するかによって否応なく意味を持ってしまうのだ。本来無関係なものが平面に置くことによってあたかも関係があるかのように見えてしまうこと。そこに検索結果をビジュアルに(2次元的に)表示することの基本的な問題があるのではないかと思う。
(Wed, 25 Feb 2004)